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ロボティクスエンジニア転職完全ガイド|仕事内容・年収・必要スキル・キャリアパス・ヒューマノイド時代の将来性【2026年版】

2026/4/22

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ロボティクスエンジニア転職完全ガイド|仕事内容・年収・必要スキル・キャリアパス・ヒューマノイド時代の将来性【2026年版】

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Work Horizon編集部

2026/4/22 公開

「ロボティクスエンジニア(ロボットエンジニア)」は、産業用ロボット・協働ロボット・サービスロボット・ヒューマノイドロボット・自律走行ロボットなどを設計・開発・実装・運用する職種です。AI・IoT・機械学習の急速な発展と、少子高齢化による労働力不足・非接触ニーズの拡大を背景に、2020年代後半から転職市場での需要が急伸しています。世界のロボティクス市場は複数の市場調査会社の予測で大幅な成長が見込まれており、国内外で人材の奪い合いが加速しています。

本記事では、ロボティクスエンジニアへの転職・キャリア設計を仕事内容・年収・必要スキル・キャリアパス・転職ルート・企業選び・将来性の観点から、JAC Recruitment・マイナビ転職・KOTORA JOURNAL・Geekly Review・RobotMateHub・WEBCAMP MEDIA・CareerCompass・パーソルクロステクノロジー・NetCom Learning・Glassdoor・Research.com・PayScaleなど国内外の公開情報をもとに体系的に整理します。ヒューマノイド・AI搭載協働ロボット・自律走行など成長ドメインまで押さえた、転職検討者向けの実用ガイドです。

ロボティクスエンジニアとは|仕事内容の全体像

ロボティクスエンジニアの仕事は、機械工学・電気/電子工学・制御工学・ソフトウェア工学・AI/機械学習の複数領域が交差する総合職です。担当領域で以下のような専門分化があります:

主な職域の分類

  • ロボット機構設計(ハードウェア):アーム・関節・駆動系・筐体のメカ設計、3D CAD(SolidWorks、CATIA、Fusion 360)
  • 電気/電子設計:モーター・センサー・ドライバ・制御基板の設計、ECAD(Altium、KiCad)
  • 組込みソフトウェア:マイコン・リアルタイムOS(RTOS)・ファームウェアのC/C++実装
  • 制御エンジニアリング:PID制御・モデル予測制御(MPC)・強化学習ベースの制御、MATLAB/Simulink
  • ROSエンジニア:Robot Operating System(ROS/ROS 2)での統合・ナビゲーション・SLAM実装
  • 画像認識・センサーフュージョン:ビジョンシステム・LiDAR・IMU・深度カメラのデータ統合
  • AI/ML エンジニア(ロボティクス領域):模倣学習・強化学習・世界モデル・VLA(Vision-Language-Action)モデル
  • システムインテグレーター(SIer):現場でロボットを製造ライン等に統合
  • プロダクトマネージャー(Robotics PM):製品企画・要件定義・業界連携
  • フィールドエンジニア・カスタマーサクセス:導入支援・保守

関連するAI職種とは役割分担が明確で、AIエンジニアへの未経験キャリアチェンジMLOpsエンジニア完全ガイドRAGエンジニア完全ガイドで扱うAIの「思考」側と、ロボティクスの「身体性・物理世界との相互作用」側を組み合わせるのがこの職域の醍醐味です。

なぜ今、ロボティクスエンジニアの需要が急拡大しているのか

① 労働力不足とデジタル化の圧力

日本を筆頭に世界各国で少子高齢化が進行し、製造・物流・介護・農業・建設・小売の現場労働力不足が深刻化。ロボット導入による省人化・自動化の需要が、従来の産業用ロボットに留まらず、協働ロボット(コボット)・自律走行搬送ロボット(AMR)・サービスロボットへと急拡大しています。

② ヒューマノイドロボットの実用化加速

Tesla Optimus、Figure、1X、Boston Dynamics Atlas、Agility Robotics、Unitree、Sanctuary AI、Apptronikなどが汎用ヒューマノイドロボットの商用化を本格化。2024〜2026年にかけて工場での実運用が始まり、物流・サービス業でのパイロット導入が相次ぎ、エンジニア採用競争が世界的に激化しています。中国の公開データでは関連職種の採用需要が前年比で数倍に増加する例も報告されています。

③ AI×ロボティクスの融合(Physical AI)

生成AI・大規模モデルの発展が物理世界にも波及し、Vision-Language-Action(VLA)モデル、世界モデル(World Model)、模倣学習、強化学習などの研究成果が実機に組み込まれる時代に。Google DeepMindのRT-X、NVIDIA GR00T、Figure Helix、Physical Intelligence(π0)などが新世代のロボット基盤モデルを公開し、AIとロボティクスの境界がますます曖昧になっています。

④ Embodied AI(身体性AI)への投資

OpenAI、Google、NVIDIA、Microsoft、Amazon、Appleなど巨大テック企業が身体性を持つAIへの投資を本格化。OpenAIはロボティクスエンジニアの再採用で高額年収を提示する事例が報道されました。AI人材の供給不足はAI人材不足2026で整理していますが、ロボティクスはその中でも特に「AI+物理エンジニアリング」の希少な交差領域です。

年収レンジ|国内・米国・中国の公開データから

国内の相場

国内ではJAC Recruitment・マイナビ転職・Geekly Review・KOTORA JOURNAL・RobotMateHub・CareerCompass・パーソルクロステクノロジーなどが継続的に調査を発表。年収は「カバーする職域の広さ」と「AI/ロボット制御の高度領域への関与度」で大きく変動します。

  • ジュニア〜ミドル(実務3〜5年):中位レンジが中心
  • シニア(制御・AI統合ができる):上位レンジへ
  • AI×ロボティクス融合型・スタートアップのCTO/VPE候補:プレミアム帯

特にAIを組み込める人材は年収プレミアムが乗る傾向が報告されています。国内AI人材全般の相場はAI人材の年収相場を参照し、そこからロボティクスのプレミアム幅を見積もる形が現実的です。

米国の相場

米国ではGlassdoor・PayScale・Research.com・NetCom Learning・Upgrad・Noodleなどが職位別・企業別にレンジを公開。Robotics Engineer・Software Engineer (Robotics)・Controls Engineer・ML Engineer (Robotics)・Integratorなどのタイトル別に集計があり、いずれも中位〜上位のレンジで、シニア・リード・スタートアップCTO等はさらに上振れが報告されます。OpenAIなど巨大AI企業のロボティクスエンジニアは最上位帯を提示するケースが報道されています。米国の数字を円換算で単純比較するのは為替・生活費・税制の違いから避けるべきです。

中国の相場

中国では「机器人算法工程师(ロボット アルゴリズムエンジニア)」の月給が上位レンジに達し、5年以上の経験者はさらに上を提示される事例が公開データで報告されています。ヒューマノイドロボット領域の採用は前年比で大幅に増加し、供給が需要に追いついていない構図が続いています。

年収を押し上げる要因

  • ROS/ROS 2の実務経験:ロボット統合の共通言語、求人頻出キーワード
  • 強化学習・模倣学習・世界モデルの実装経験:最先端AI×ロボティクス
  • Sim-to-Real(シミュレーションから実機への転移):実機検証のスケール経験
  • Physical Intelligence・VLAモデルの経験:次世代ロボット基盤の最前線
  • SLAM・センサーフュージョンの高度な実装:自律移動ロボットの核心
  • 安全規格と認証経験:ISO 10218、ISO/TS 15066(協働ロボット)、IEC 61508等
  • 英語と国際的な論文・OSS実績:グローバル採用ではほぼ必須

必要スキル|3層モデルで整理

① ハードウェア・物理基礎

  • 機械工学(機構設計、材料力学、動力学、熱力学)
  • 電気・電子工学(回路設計、モーター制御、センサー)
  • 3D CAD(SolidWorks、CATIA、Fusion 360、Onshape)
  • ECAD(Altium Designer、KiCad、OrCAD)
  • 制御工学(古典制御、現代制御、最適制御、MPC)
  • アクチュエータ技術(サーボモーター、ステッピングモーター、油圧/空圧)
  • センサー技術(カメラ、LiDAR、IMU、エンコーダー、力覚センサー)

② ソフトウェア・アルゴリズム

  • プログラミング:C++、Python(メイン)、Rust(組込み)、MATLAB/Simulink
  • ROS / ROS 2、Gazebo、MuJoCo、NVIDIA Isaac Simなどのシミュレータ
  • 機械学習・深層学習(PyTorch、TensorFlow)
  • 強化学習(PPO、SAC、DreamerV3等)、模倣学習
  • コンピュータビジョン(OpenCV、YOLOv系、SAM、物体検出/セグメンテーション)
  • SLAM(ORB-SLAM、RTAB-Map、Cartographer、VINS-Fusion)
  • 経路計画(A*、RRT*、MPC、Motion Planning)
  • 組込み開発(FreeRTOS、Zephyr、ARM Cortex)
  • Linux、Docker、Kubernetes(ロボットフリート管理)

③ 応用・統合レイヤー

  • CI/CD、Gitワークフロー、コードレビュー文化
  • 安全規格・機能安全(ISO 10218、ISO/TS 15066、IEC 61508)
  • 現場での実機テスト・データ収集・ラベリング
  • チーム横断(機械・電気・ソフト・AI・SIer)のコミュニケーション
  • 顧客現場(工場・物流倉庫・病院等)への設置・デモ
  • 英語ドキュメント読解と国際コミュニティへの参加

関連技術論点としては、Mixture of Experts(MoE)AIモデルの量子化モデル蒸留などのLLM最適化手法が、実機搭載時のリソース制約下での推論に重要な知識となります。

ロボティクスの主要ドメイン|狙える領域

① 産業用ロボット

自動車・電機・半導体・食品工場などで使われる多関節アームロボット。ファナック、安川電機、川崎重工、三菱電機、ABB、KUKA、Universal Robotsが大手。ロボット導入密度が高く、保守・SIerの人材需要も安定。

② 協働ロボット(コボット)

人間と同じ空間で安全に作業できるロボット。Universal Robots、Techman Robot、Fanuc CRX、KUKA LBR、川崎ロボティクスがリーダー。ISO/TS 15066の理解が必須で、中小企業・サービス業への導入が急拡大中の成長領域。

③ 自律走行ロボット(AMR/AGV)

物流倉庫・病院・ホテルで活躍する自律搬送ロボット。Locus Robotics、Fetch、Amazon Robotics(旧Kiva)、日本ではラピュタロボティクス、Mujin、ZMP、PreferredRobotics、GROUND等。SLAM・群制御・フリートマネジメントのスキルが強み。

④ ヒューマノイド・4脚ロボット

最もホットな成長領域。Tesla Optimus、Figure、1X、Agility Robotics Digit、Apptronik Apollo、Boston Dynamics Atlas、Unitree H1/G1、Sanctuary AI Phoenix、国内ではKawasaki Kaleido、ENEOSのENE-1など。模倣学習・VLAモデル・Sim-to-Realが研究フロント。

⑤ サービスロボット

清掃ロボット(iRobot Roomba、ECOVACS、SwitchBot)、配膳ロボット(Bear Robotics、Pudu Robotics)、介護ロボット(Cyberdyne HAL、RIKEN-Robear)、接客ロボット(ソフトバンクPepper系)。高齢化需要と連動する社会実装領域。

⑥ 農業・建設・インフラロボット

自動収穫ロボット、自動走行トラクター、ドローン、建設機械の自動化(コマツSmartConstruction、日立建機、キャタピラー)、インフラ点検ロボット。フィールドロボティクスと呼ばれる過酷環境対応領域で、AMR/AGV系スタートアップも参入中。

⑦ 医療・手術ロボット

Intuitive Surgical ダヴィンチ、日本のmedicaroid hinotori、Stryker Mako、Johnson & Johnson Monarchなど。規制対応(医療機器)、高精度制御、長期保守の経験が評価される高付加価値領域。

キャリアパス|4つの典型ルート

① ハードウェア出身のキャリア

機械・電気系の学位を活かし、機構設計・電装設計・組込み開発から入るルート。徐々に制御・ソフトウェア・AI領域に越境していく。日本の伝統的なメーカー(ファナック、安川電機、川崎重工、デンソーウェーブ、オムロン、三菱電機)からのキャリアが典型。

② ソフトウェア/AI出身のキャリア

Python・C++・機械学習の経験を活かし、ROSエンジニア・ビジョン・SLAM・強化学習・模倣学習の実装者として参入。組込み・リアルタイム制約・物理モデリングを後から学ぶパターン。スタートアップでは特にこのルートが歓迎されます。AIエンジニアからの転身はAIエンジニアへの未経験キャリアチェンジで扱う基礎から、ロボティクス固有のスキルへ拡張するのが現実的です。

③ 研究者ルート

大学・大学院でロボティクス・制御・AIを研究し、研究成果を企業の実装部門で展開するパス。博士号取得者がスタートアップや大手R&Dに移行するケースも増加。日本では東大、京大、阪大、東工大、筑波大、名大、九大、早慶、TUSなどの研究室出身者が活躍。

④ SIer・フィールドエンジニアからの成長

ロボットの現場導入・保守・カスタムプログラミングから入るルート。現場の課題を肌で理解できる強みを活かし、徐々に製品企画・コンサルティング・システム統合の上流へシフト。社内AI推進担当のキャリア完全ガイドAIコンサルタントキャリアパスとの接点も生まれます。

昇進ステージと職域展開

ロボティクスエンジニアとしての階段は、大きく以下のように整理できます:

  1. Junior Robotics Engineer:既存コードベースでの実装・テスト・ドキュメント
  2. Robotics Engineer:担当モジュール設計・開発・実機デバッグ・論文読解
  3. Senior Robotics Engineer:サブシステムの責任者、チーム横断プロジェクトの技術リード
  4. Staff/Principal Robotics Engineer:プラットフォーム全体の技術設計、重要製品の技術責任
  5. Engineering Manager / Director:エンジニア組織のマネジメント、採用、予算
  6. VP of Engineering / CTO:経営幹部としての技術統括

横展開として、Robotics Product Manager、Robotics Solutions Architect、Robotics Consultant、Robotics Sales Engineer、Robotics Safety Specialistなど、プロダクト・事業・規制側への展開も一般的です。

未経験・異業種からのロードマップ

① 土台整備(6〜12か月)

機械工学または電気電子工学の基礎を独学で。OCW(MIT OpenCourseWare)、coursera、udemyの工学系コース。Pythonで基礎プログラミング、NumPy/scipy、matplotlibを扱えるように。

② ロボティクス特化学習(6〜12か月)

ROS 2チュートリアル(ros.org公式)、Gazebo/Isaac Simでのシミュレーション実践、Udacity Robotics Nanodegree、coursera Modern Robotics Specializationなどの体系教材で、ROSの基本・SLAM・経路計画・マニピュレーションを実装できるレベルへ。

③ ポートフォリオ構築(並行)

自作の4脚/多関節ロボット(Unitree Go2のオープン活用、SO-100等のDIYキット)、TurtleBot/PuzzlebotでのSLAM・自律走行、Gazebo/Isaac SimでのRLエージェント学習など、GitHubに公開できる作品を3つ以上。技術ブログ(Zenn、Qiita、Medium)で発信すると採用側にリーチしやすくなります。

④ 転職準備(3〜6か月)

職務経歴書をロボティクス向けにリライト、英文レジュメ整備、RossumやIEEEなど業界コミュニティ参加、Tokyo Robotics Meetup等でネットワーキング。JAC Recruitment・Robert Half・Findy・paiza・Geekly・dodaプライムなどの専門エージェント活用。

40代以上からの再スタートは40代からのAIリスキリング成功完全ガイド、文系からの転身は文系からのAI人材転職ガイド、育休からの復帰は育休復帰×AI転職戦略完全ガイドを併読してキャリア設計を立ててください。

海外移住とロボティクス

ロボティクスは世界的に人材需要が高く、海外移住でも有利な職域です。ベンガルール・シンガポール・ドイツ・カナダ・オーストラリア・台湾・中国など、各国で採用が活発。各国の移住ガイドは以下を参照してください:

働き先|企業類型別の特徴

① 大手ロボティクスメーカー

ファナック、安川電機、川崎重工、三菱電機、デンソーウェーブ、オムロン、KUKA、ABB、Universal Robots、Boston Dynamics。技術の積み重ね・安定性・福利厚生が強み。新技術の採用スピードは社内の慎重さに依存する傾向。

② ロボティクススタートアップ

Mujin、ラピュタロボティクス、PreferredRobotics、Telexistence、Kewazo、Agility Robotics、Figure、1X、Apptronik、Sanctuary AIなど。最新技術への挑戦・裁量の大きさ・ストックオプションが魅力。スピード感と技術的チャレンジを求めるエンジニア向け。

③ 大手テック企業のロボティクス部門

Google DeepMind(RT-X等)、NVIDIA(Isaac、GR00T)、Meta、Microsoft、Amazon(Robotics)、Apple、OpenAI、Toyota Research Institute、SoftBank Robotics。研究×実装のハイブリッドで、論文発表と製品投入の両面を経験できる希少なキャリア。

④ 業界特化プレイヤー

医療(Intuitive Surgical、medicaroid)、建設(コマツ、日立建機)、農業(クボタ、Yanmar、Ferguson)、物流(Amazon Robotics、GXO、Locus)、介護(Cyberdyne)。業界ドメイン知識が強みになる領域。

⑤ SIer・受託開発

ロボットシステムインテグレーターは中小の専門企業が多数。現場のカスタマイズ・導入支援・保守の知見が積める。将来の独立・起業のネタになりやすい。

⑥ 研究機関・大学

理研、産総研、JAXA、大学のロボティクス研究室、ATR、NEDO。論文・特許・国際連携がメインで、長期視点の研究開発ができる環境。博士号取得者・ポスドクのキャリアパス。

どういう人がフィットするか

  • 物理世界に働きかける面白さに惹かれる人:デジタルだけでなく物が動く喜びを求める
  • 複数領域を横断して学べる人:機械・電気・ソフト・AI・現場対応のマルチスキル志向
  • 実験と反復改善を楽しめる人:試作・失敗・修正の繰り返しに耐性
  • 英語ドキュメント・論文を読める人:最先端は英語中心
  • 体力と集中力がある人:実機テスト・現場出張・ハード設計デバッグは体力勝負の側面も
  • 安全と責任への意識:物理的な怪我・事故リスクへの高い配慮
  • 長期視点でキャリアを育てられる人:短期的な成果より積み重ね志向

将来性と留意点

伸びる方向性

  • ヒューマノイドの実用化加速(2026〜2030年の導入拡大)
  • AI×ロボティクスの融合(VLAモデル、世界モデル、模倣学習の進化)
  • サービス業(介護・小売・医療)への実装拡大
  • Sim-to-Realの成熟で開発サイクル短縮
  • ロボットFoundation Model・Pre-trainedモデルの普及

留意すべき論点

  • 安全性とリコール:物理的事故は即ブランド毀損、安全設計・責任論が重要
  • 業界ごとの規制の違い:医療・食品・公共空間それぞれに固有規制
  • 初期開発コスト:ハードウェア実装には試作費用・機材費用が高額
  • 競争の激化:グローバル企業の大規模投資で国内中堅企業の生存が課題
  • 人材の囲い込み:トップ人材は非公開求人が多く、ネットワーク経由での転職が主流

関連するAI職種との役割分担

  • AIエンジニア(一般):Web/デスクトップ系のAIアプリ。物理世界とは接続しない
  • MLエンジニア:モデル学習と推論基盤。プロダクション機械学習
  • LLMエンジニア・RAGエンジニア・プロンプトエンジニア:言語モデル特化
  • AIセキュリティエンジニア:AI安全性の守り手。AIセキュリティエンジニア完全ガイド参照
  • AI倫理コンサルタント:規制・ガバナンス。AI倫理コンサルタント完全ガイド参照
  • ロボティクスエンジニア:AI×物理世界の統合、身体性AIの実装者

まとめ|「物理世界×AI」の交差点で希少性を作る

ロボティクスエンジニアは、AI・機械・電気・制御・ソフトウェアが交差する多分野複合の希少職種。2024〜2026年にかけてヒューマノイド・協働ロボット・自律走行・Physical AIが急成長し、国内外で人材争奪戦が激化しています。年収は職域の広さとAI統合スキルで大きく変動しますが、特にAI×ロボティクスを両立できる人材は世界的に高需要です。

ハードウェア出身・ソフトウェア/AI出身・研究者・SIerの4つの典型ルートがあり、未経験・異業種からでも6〜18か月のロードマップで参入可能です。重要なのは、機械・電気・制御・ソフト・AIのいずれかで強みを持ちつつ、周辺領域を継続的に学び続ける姿勢。ROS/ROS 2、シミュレータ、強化学習、模倣学習、Sim-to-Realなどの最新スキルを身につけ、GitHubとコミュニティでポートフォリオを育てる継続が、この急成長市場で長期的なキャリアを築く王道です。

日本国内のメーカー・スタートアップから、海外のグローバル企業・研究機関まで選択肢が広く、将来的には海外移住も含めたグローバルキャリアも現実的。本記事を起点に、自分のバックグラウンドと志向に合ったルートを見極めて、ロボティクスエンジニアとしての第一歩を踏み出していただければ幸いです。

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よくある質問

Q.ロボティクスエンジニアの仕事内容は?
A.機械工学・電気電子工学・制御工学・ソフトウェア工学・AI/機械学習が交差する総合職で、担当領域別に①ロボット機構設計(ハードウェア)、②電気/電子設計、③組込みソフトウェア(C/C++)、④制御エンジニアリング(PID/MPC/強化学習)、⑤ROSエンジニア(ROS/ROS 2)、⑥画像認識・センサーフュージョン、⑦AI/MLエンジニア(模倣学習・強化学習・VLAモデル・世界モデル)、⑧システムインテグレーター、⑨プロダクトマネージャー、⑩フィールドエンジニア・カスタマーサクセスの10分野に細分化されています。AI×物理世界の統合が身体性AIの実装者としての醍醐味です。
Q.なぜ今ロボティクスエンジニアの需要が急拡大しているのか?
A.4つの背景要因があります。①労働力不足とデジタル化の圧力(製造・物流・介護・農業・建設・小売の自動化需要拡大)、②ヒューマノイドロボット実用化加速(Tesla Optimus・Figure・1X・Boston Dynamics Atlas・Agility Robotics・Unitree・Apptronikが商用化を本格化、中国で採用が前年比数倍に)、③AI×ロボティクス融合(Google DeepMind RT-X・NVIDIA GR00T・Figure Helix・Physical Intelligenceなど新世代ロボット基盤モデル)、④Embodied AI投資(OpenAI・Google・NVIDIA・Microsoft等巨大テックの身体性AIへの大型投資)です。
Q.必要なスキルは?
A.3層モデルで整理できます。①ハードウェア・物理基礎(機械工学・電気/電子工学・3D CAD: SolidWorks/CATIA/Fusion 360・ECAD・制御工学・センサー技術)、②ソフトウェア・アルゴリズム(C++/Python/Rust・ROS/ROS 2・Gazebo/MuJoCo/NVIDIA Isaac Sim・PyTorch/TensorFlow・強化学習PPO/SAC/DreamerV3・SLAM・経路計画・組込みRTOS)、③応用・統合レイヤー(CI/CD・機能安全ISO 10218/TS 15066/IEC 61508・実機テスト・現場導入・英語ドキュメント読解)。年収を押し上げる要因はROS実務経験、強化学習/模倣学習、Sim-to-Real、VLAモデル、SLAM、安全規格、英語と国際論文/OSS実績などです。
Q.未経験からのロードマップは?
A.4段階で整理できます。①土台整備(6〜12か月):機械工学または電気電子工学の基礎を独学、MIT OpenCourseWare・Coursera・Udemyの工学系コース、Python基礎、②ロボティクス特化学習(6〜12か月):ROS 2公式チュートリアル、Gazebo/Isaac Simでのシミュレーション、Udacity Robotics Nanodegree、Coursera Modern Robotics Specialization、③ポートフォリオ構築(並行):自作ロボット・TurtleBotでのSLAM・RLエージェント学習などGitHub公開作品3つ以上+技術ブログ、④転職準備(3〜6か月):職務経歴書・英文レジュメ・コミュニティ参加・Findy/paiza/Geekly/JAC/Robert Halfなど専門エージェント活用、の流れです。
Q.キャリアパスと働き先は?
A.4つの典型ルート:①ハードウェア出身(機械/電気系学位→機構/電装/組込み→制御/ソフト/AIへ越境、日本のファナック・安川・川崎重工・デンソー・オムロン・三菱電機など)、②ソフトウェア/AI出身(Python/C++/MLの経験→ROS/ビジョン/SLAM/強化学習/模倣学習、スタートアップで歓迎)、③研究者ルート(大学院研究→企業の実装部門、博士号取得者が大手R&D/スタートアップへ)、④SIer・フィールドエンジニアからの成長。働き先は大手ロボットメーカー、スタートアップ(Mujin・ラピュタ・Figure・1X・Apptronik等)、大手テック部門(DeepMind・NVIDIA・Amazon Robotics・TRI等)、業界特化(医療・建設・農業・物流)、研究機関(理研・産総研・大学)があり、海外移住にも強い職種です。

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